クラッシュバンディクー4

トラベラーテイルズ

アクション

1人


PS2クラッシュ登場

開発元が替わって初のクラッシュ。次世代機らしくグラフィックには表現力の向上が見られる。肝心なゲーム内容に関しては残念ながらクラッシュシリーズとして見なくても凡作止まりな感じが否めない。


またまた大冒険
またまた大冒険

スタイルは前作と変わらず。システムに関しては同じような感覚でプレイできる。新しくニトロ箱の上を渡れるそろそろあるき、乗り物にはバギーやカプセルなどかなり種類が増えた。またココを通常のアクションステージでも(一部ステージのみ)可能となった。


まさに深海?
まさに深海?

開発元が代わってしまった故、操作性や全体のシステム周りのつめの甘さが感じられる。まず真っ先に挙げられる点として"ロードの長さ"だろう。これだけで近作の評価を著しく落としていると言っても過言ではない。またロードの回数も非常に多い。きっとプレイし始めたら、ふよふよと漂うクラッシュ君の姿を嫌というほどみることになるだろう。以下、本作の短所を挙げる。

 

 

 

・操作性に関しても前作に比較して劣悪で、全体的に空気に阻まれているような感覚である。方向キーを入れながらの一回転ジャンプは回る瞬間、何かに引っかかるような手ごたえがある。おかげで、テンポよく足場を渡る爽快感はほぼない。

 

・金網をつたっての移動はとてつもなく遅く、無駄にあるステージの長さと広さが相まって本当に進んでいるのかわからなくなる。竜巻スピンアタックもクラッシュが伸び縮みすることも効果音に変化もないため終点がわかりづらくミスに繋がりやすい。新アクションのそろそろあるきも使う場面はまったくない。

 

・ココのアクションステージも固有の能力もなく、単純にクラッシュの劣化である。そのため取ってつけた感じが否めない。乗り物も加速に連打が必要だったりするが、本当にわずかな変化で分かりづらい。

 

・ステージの構成も微妙な点がある。まずステージ1-1から雪のステージである初っ端から滑る床に細い道。1-2はもう乗り物が登場したり、終盤なのにやけにシンプルなステージがあったり難易度にバラつきがありすぎる。ステージ自体も道幅が広すぎたり、なにより全体的に暗い。

 

・海のステージはこのゲームの最難関。キャラクターの手前の背景が主張しすぎている、ステージの幅が広い、暗い、操作が重い、これらの理由で理不尽なミスを多発することになる。

 

・タイムアタックはミスするとスタート地点に戻るが、ステージが広いので繰り返しチャレンジするのが苦痛である。

 

・音楽に関しても従来とは雰囲気が変わりすぎていて違和感がある。音楽単体で考えれば良い曲もあるが、似たり寄ったりな曲が多い印象がある。どちらにせよクラッシュの音楽と言われて納得するのが難しい。ワープルーム1が明るめの曲で固められているので、この路線でやってくれたら良かったかも。

 

シリーズの伝統スタイルを貫いたためまだ一定の評価は得ているようで、本作よりも続編である「5」のほうが国内では酷評されがちである。前作品が3作もあるにもかかわらず劣化させてしまったのは、やはりスタッフのクラッシュブランドへの理解が足りていなかったとしか思えない。開発元である、トラベラーズテイルズはわずか一年で本作を作ったとのこと。大丈夫なのだろうかそれは...?むしろ、評価すべき点なのか?ちなみにクラッシュバンディクー3は15人のスタッフが9ヶ月で完成させたという情報がある。

 

とはいえ、ロードが致命的なだけで平凡なアクションゲームとして遊ぶには問題ない(はず)なので、ロード時間が短く改良されたGC版かxbox版の購入をオススメする。


・水などの描写

・いくつかの音楽

・致命的なロードの長さ

・理不尽なミス判定

・難易度にバラつきのあるステージ

・長すぎるステージ


何故クラッシュはソニーから奪われたのか

クラッシュ初公開のe3
クラッシュ初公開のe3

この一連の経歴に関しては詳しいサイトも多いので、簡単に説明しよう。クラッシュバンディクー3開発の時点でSCEからクラッシュは制作であるユニバーサルとの契約が終了してしまい買収されてしまうのは決まっていたらしい。ノーティドッグ製の最後の作品。クラッシュバンディクーレーシングが歴代キャラクターが多く出演しているのはこの理由のためである。ユニバーサル側のスタッフはクラッシュを小遣い程度にしか考えていなかったようでゲーム内容を把握してもいないにもかかわらず、いちゃもんをしょっちゅうつけていた。広告、宣伝もソニー側が全て受け持っていた。「2」でクラッシュのガールフレンドであったタウナが設定上のみで本編にでなくなったのもユニバーサル側の注文故である。代わりに出たのが日本スタッフのデザインしたクラッシュの妹、ココだった。ユニバーサルと関係していた理由はプロデューサーである、あのマークサーニー氏がユニバーサルに所属していたというだけであった。マーク氏はその後退社。現在もラチェットシリーズやアンチャーテッドなどの名作に深く関わっている。クラッシュがソニーから去るのはノーティドッグだけでなく、日本のクラッシュチームも悔しかったようで、当時の関係者の記事からその無念を明らかにしている。今となっては予言のような記事である。ソニー時代のローカライズに大きく貢献した鶴見六百氏もブログで一連の事件をわかりやすく書き留めてある。...正直このサイトよりわかりやすいのでそちらを見るのを推奨する。